精度のお話(玄人編)

精度のお話です。めちゃくちゃ難しいお話です。

弾当たらない、精度悪いなどといった部分で一度は見て疑うパラメーター、「精度」。今回は砕いてその詳細を見てみましょう。

▲これは例で出したObj.907。デフォルトの数値では0.32と表示される。

▲Obj.907なんて持ってねえよ!!って言われそうなので、M36 Jacksonも例に出しておきます。この場合のデフォルトでは0.28と表示されます。

 

別に精度なんて0.03とか誤差でしょって思った方。本末転倒なので、このタブを消してランダム戦するか違うゲームでもしてください。数学で1と2で比べられて同じとは言いませんね?そういうことです。

 

さて本題に戻りましょう。

ふと疑問に思ったことありませんか?「この戦車の精度は0.33なのに弾が当たらない」、「精度0.36なのによく当たる」

プレイスタイルにもよりますが、至近距離なら0.36でも0.4でも誤差とは思うのも無理はないです。ただこのゲーム、ブラックボックスな所に真っ直ぐ飛ぶ確率的な物があるせいなのか、100%弾が真っ直ぐ飛ぶことはないです。推測ですが、最大でも98%とかです。100mで弾を撃ち続けるみたいな事をすればその車両ごとにパラメーターが振られてるとは思いますが、詳細は分かりません。

 

そもそも精度と言われる物は「100mあたりの着弾分布(m)」のパラメーターで見ることができます。ただ、これは100mあたりでの話ですので遠距離になると相対的に精度は悪くなります。例え精度が0.31であっても450m超の距離にいる敵を撃とうとすると大体0.36くらいみたいに当たりにくく感じるようになります。

そしてこの精度と言われる物の内部を見て見ると、実際には「照準サークルの内側に飛ぶ、集弾するようになっている」システムになっています。これはかなり前のバージョンで修正されてサークルの中心付近に飛ぶようになっています。問題はRNG、乱数の話になるので中心に飛ぶ確率などは明らかになってはいませんが...

しかし、EUの有志がこれに関する実験をしました。

・実験車両としてTier1 Renault FT(以降ルノーFTと呼びます)、Tier9 M53/55(以降M53と呼びます)を比較とする

・100m先の建物に対して弾を撃ち続ける

・撃った場所はピンク色でマークする

・弾倉分の弾を撃ち切るのを条件とする

まず、ルノーFTとM53なんて比較にならんでしょって思うところですが、小数点第4位まで表示した場合の精度は

ルノーFT 0.5800

・M53 0.5799(野戦改修レベル7を精度に振った状態)

なんと0.0001の誤差にとどまります。おまけに、戦車視点と自走視点でのサークルの違いなども比較できるのでこれが妥当でしょう。

これで複数回行った所、実際の戦車視点での照準サークルはこの通り。

https://i.imgur.com/E9K0LVp.jpeg

ソース元 EUフォーラム(ポーランド語)

なんと実際の「100mあたりの着弾分布(m)」で表される数値(サークルのサイズ)は71%大きいことが測定されました。なんてこった。具体的な数値(小数点第5位以下)などはソース元のフォーラムの検証結果から見ていただきたいんですが、残念ながらポーランド語が分からないのでどなたか翻訳を...

以上の実験結果を踏まえると、ルノーFTの精度0.5800と表記されている精度は実際には「0.4118」という精度になります。

Grille 15

▲Tanks.ggから引用ですが、精度全振りGrille 15は「0.2052」と表記されます。

実験結果を元に計算すると、「0.1456」という数値になります。

すっごい......0.15すら切ってるやん...

FV4005

▲同じく引用で精度全振り4005ですが、数値では「0.3247」と表記されます。

これを上記の実験結果を元に計算すると「0.2305」という数値になります。

0.23!?なんてこった。

 

Q.なら精度良くしなくてもあらかじめそういう数値前提でエイムすればいいんじゃないの?

A.ええ、ごもっともです。

って言いたいんですが、これはあくまで精度に限った話なので、拡散、照準時間、弾速、集弾などのパラメーターで当たりやすさは左右されるので、あくまでも精度に限った話です。

もちろんそれがベストなんですが、UIと言われる物を無視して動こうとするにはそれなりに技術が必要になります。ってか普通無理じゃね?

なのでその実際の数値でエイムするmodが最近公開されました。

少なくともmod hubにあるのでWG公認です。

https://wgmods.net/6349

▲弱点を撃つためのエイム力を鍛えるmodではありますが、あくまで数値を実戦で体感したい人向けなのでこれを付けて「絶対強くなれる!!」っていうものではないのであしからず。

少なくともサーバー照準、RNGとの闘いになります。

むしろこれ無くても普通に遊べます。

 

もちろん精度は良くすれば良くするほど照準サークルを小さくできますし、サークル内部で乱数を起こす事を考えると精度を良くする事に越したことはないです。

精度を上げるツールは

「換気扇(Improved Ventilation)」「照準器(Improved Aiming)」、外部で「野戦改修」の3つになります。野戦改修は別の記事にて紹介します。

照準器ですが最終精度が良くなる、つまり絞り切りの精度が良くなる拡張パーツですね。照準器単体は最終精度を良くするのがメインなので元からある、精度面で良くする換気扇が積めない車両にはもってこいの拡張パーツです。

 

ただ、換気扇のみでも微量の数値ではありますが精度は良くなりますし、照準器と併せて使えば精度面では使い勝手がかなりよくなります。しかし併せて使うのは大体ラマーが積めない車両かそもそも弾が当たらないタイプが大半になります。そのため遠距離狙撃がメインなプレイスタイルの人にはこの組み合わせも1つの選択肢になりうるかもしれませんね。私も変な車両とかでない限りこの組み合わせはお世話になってます。

 

あとガレージ上での数値の小数点第3位表示の機能ですが、パソコンのコントロールパネルの「時計、言語、および地域」→「日付、時刻、または数値の形式の変更」→「追加の変更」→形式のカスタマイズ→小数点以下の桁数→「3」に変更(4にすると小数点第4位まで見れます)

こうすると照準時間、隠蔽、発射レートなどの数値が細かく見れるようになります。計算や細かな比較をするのにはいいですね。

 

難しい話ではありましたが、数値でなんとなく「へぇー」で済ますよりかは奥深く知ることでこの車両はこの数値で精度はこっちのほうが0.035良い!など、細かに知ることによって得られる情報があるので、思った矢先に書き留めました。あくまで持論ですので参考までに...